データ復旧の費用相場と料金が高くなるケース【見積もり事例付き】

外付けHDDが突然認識しなくなったり、パソコンが起動しなくなって中のデータにアクセスできなくなると、多くの方が最初に気になるのが費用です。
ただしデータ復旧の料金は、家電修理のように一律の定価があるわけではなく、次のような要素が複雑に関わっています。
- 媒体の種類
- 障害の内容と重さ
- 保存容量や台数
- 必要となる作業工程や専用機材の有無
- 対応スピードやセキュリティ要件
こうした条件によって料金は大きく変動します。事前に仕組みを知らないと、高いのか安いのか判断がつかず、不安だけが残ってしまいがちです。また、同じ媒体や同じ容量であっても、故障の仕方によって費用帯が全く違うことも珍しくありません。
この記事では、中立的な立場からデータ復旧の費用相場の考え方を整理し、料金が高くなりやすいケースや、費用を確認する際のポイントを分かりやすく解説します。後半では、公開情報をもとにした相場感のイメージや、見積もりを検討する際のチェック例、そして「こういう見積もりの出され方なら納得しやすい」という具体例も紹介します。
金額だけを見るのではなく、「なぜその料金になるのか」「どこに手間と技術がかかっているのか」を理解することで、落ち着いて判断しやすくなります。
① データ復旧の料金は何で決まるのか

まずは、データ復旧の料金がどのような要素で構成されているのかを整理します。多くの専門業者では、次のような観点で料金を組み立てています。
- どのような媒体を扱うのか
- どの程度の障害が発生しているのか
- どれくらいのデータボリュームを扱うのか
- どんな専用機材や環境が必要になるのか
- どれくらい急ぎの案件なのか
これらの要素は互いに影響し合います。例えば、媒体の種類は作業手順に直結しますし、障害内容は必要な機材や技術レベルに関わります。そのため、「HDDだからいくら」「SSDだからいくら」といった単純な決め方ではなく、「媒体 × 障害内容 × 作業工程」の組み合わせとして考えられていることが多いです。
① 媒体の種類
同じ容量であっても、媒体ごとに構造や必要な技術が異なるため、費用の傾向も変わります。
- パソコン内蔵HDDや外付けHDD
- SSDやM2 NVMeタイプのストレージ
- NASやサーバーのRAID構成
- USBメモリやSDカードなどのフラッシュメモリ系
一般的には、構造が複雑になり、複数台で一つのデータ領域を構成しているものほど、復旧の難易度が上がりやすく、費用も高くなる傾向があります。特にRAIDや企業向けサーバーなどは、台数分の診断と解析が必要になるため、単体のHDDやSSDと比べるとどうしても高額になりやすい媒体です。
また、同じHDDでも、ノートパソコン用の小型モデルとサーバー用のエンタープライズモデルでは、内部構造やファームウェアの設計が異なり、必要なノウハウや互換部品も変わってきます。そのため、価格表には同じ「HDD」と書かれていても、機種によって難易度が変わることがあります。
② 障害の内容と重さ
データ復旧では、障害の状態を大まかに次のように整理して考えることが多いです。
- 論理障害 誤削除、誤フォーマット、ファイルシステムの破損など、記録面そのものは読めるが、データの構造が壊れているケース
- 軽度の物理障害 一部領域の読み出しエラーや不良セクタ、軽度なヘッド不調など
- 中度から重度の物理障害 ヘッド損傷、プラッター傷、基板故障、モーター不良など、部品の交換や開封環境が必要なケース
一般に、論理障害の範囲で収まっている案件は比較的費用が抑えられ、部品交換や分解作業を伴う物理障害は高額になりやすいとされています。特にプラッター傷やヘッドクラッシュなど、作業リスクが高い案件は、作業時間も長くなりがちです。
また、同じ物理障害でも、「劣化が軽い段階で通電を止めているかどうか」「自己分解や自己修理を試していないかどうか」で難易度が大きく変わります。状態が悪化しているほど、読み出し可能な領域を慎重に扱う必要があるため、工数も増えやすくなります。
③ 容量や台数などのボリューム要因
復旧対象となるデータ量や台数も重要な要素です。
- 容量が大きいほど、診断やクローン作成、データ抽出に時間がかかる
- RAIDでは、複数台すべてを解析しなければならない
- 複数台の外付けHDDに分散して保存しているケースでは、それぞれの媒体を個別に処理する必要がある
例えば、1台あたり数TBのHDDが複数台組み合わさったRAIDの場合、全ディスクに対して状態確認やイメージ取得を行う必要があり、単純に工数が増えます。そのため、単体HDDに比べて費用のレンジも広がりやすくなります。
また、復旧後のデータをどの媒体に保存するかもボリューム要因に含まれます。数百GB程度であれば1台の外付けHDDで収まっても、数TBクラスのデータを復旧する場合は、納品用媒体自体のコストも考慮に入れる必要があります。
④ 使用する機材や環境
高度なデータ復旧では、次のような専用環境や機器が必要になることがあります。
- ホコリや微粒子を抑えた環境での開封作業
- ファームウェア領域やサービスエリアに直接アクセスするための専用機
- ストレージごとに専用のアダプタやインターフェース
- RAID構成を解析するための専用ツール
こうした設備や機器を使う範囲が大きくなるほど、作業の難易度や工数が増え、その分料金に反映されます。特に近年のHDDやSSDはメーカーごとに仕様が異なり、ファームウェアの仕様も年々複雑になっているため、「専用機材なしで対応できる範囲」は徐々に狭まっています。
そのため、単純なソフトウェアだけで対応できる案件と、専用機材や開封環境が必須の案件では、料金の前提から大きく異なると考えるとイメージしやすいです。
⑤ スピードやセキュリティの要件
特に企業の業務データを扱う場合、次のような追加要件が費用に影響することもあります。
- 当日対応や休日対応などの緊急対応
- 特定の作業ルームや拠点へのオンサイト対応
- 契約上のセキュリティ条件に合わせた運用体制
- 復旧後のデータ保管や破棄に関するルールの厳格運用
標準的な納期よりも短いスケジュールで復旧を進める必要がある案件ほど、工程の調整や人員の確保が必要になるため、追加料金が発生するケースがあります。実務的には、「標準納期のプラン」と「短納期のプラン」を分けている会社もあり、どちらを選ぶかによって費用レンジが変わる場合があります。
② 媒体別の費用相場のイメージ

次に、媒体ごとの大まかな費用イメージを整理します。ここでは公開情報を参考にしながら、あくまで傾向として説明します。
重要なのは、「媒体によって傾向はあるが、最終的には障害内容で費用が決まる」という視点です。同じHDDでも、軽度の論理障害と重度の物理障害では、必要な作業が全く異なります。
① HDDのデータ復旧
パソコン内蔵HDDや外付けHDDは、最も相談件数が多い媒体です。日本国内の専門会社が公開している情報では、HDDの復旧費用は障害の種類によって大きく変動し、おおよそ数万円から数十万円前後になる場合があると解説されています。
公開情報に基づくと、次のような傾向が読み取れます。
- 誤削除や誤フォーマットなどの論理障害は、比較的低めの費用帯に収まることが多い
- ヘッド故障やプラッター傷などの物理障害は、部品交換や開封作業が必要なため高額化しやすい
- 大容量モデルやエンタープライズ向けHDDは、同じ障害内容でも費用が上がることがある
例えば、写真データが入っている家庭用の外付けHDDと、業務用のラックマウントサーバーに搭載されたHDDでは、外観は似ていても内部構造や求められる復旧レベルが異なります。業務用HDDでは、稼働時間が長く、経年劣化も進みやすいため、物理的な消耗が進んでいるケースも少なくありません。
② SSDのデータ復旧
SSDは可動部がないため、物理的な衝撃には比較的強い一方、内部構造が複雑で、コントローラやファームウェアに問題が発生すると、専用の機材と深い知識が必要になりやすい媒体です。
一般的な傾向としては、次のようなポイントが挙げられます。
- 論理障害の範囲なら、HDDと同程度か、やや高めの費用帯になるケース
- コントローラやファームウェアの不具合、チップの障害などが絡むと、難易度の高い復旧として扱われるケース
- NVMeタイプなど新しい規格では、対応できる業者が限られる場合があり、そのぶん費用が高めに設定されることがある
また、SSDは内部でデータの書き込み場所をコントローラが最適化しているため、「使っている人から見える容量」と「実際に内部で使っている領域」が一致しないこともあります。このため、削除やフォーマットの影響範囲を読み解くには、HDDとは異なる観点の解析が必要となります。
③ NASやRAIDのデータ復旧
複数台のHDDをまとめて一つのデータ領域として使うNASやRAIDは、障害が起きたときの影響範囲も広く、費用レンジも大きくなりがちです。
費用が高くなりやすい理由には、次のようなポイントがあります。
- 台数分すべてのディスクの診断が必要になる
- 論理構成の解析や、崩れた配列の再構築など、専門的な工程が増える
- 業務停止の影響が大きいため、緊急対応が求められるケースが多い
RAID構成によっても難易度は変わります。RAID1のようにミラーリング構成であれば、どちらか一方からの復旧で対応できる場合もありますが、RAID5やRAID6、RAID10など複雑な構成では、配列情報やパリティの解析が必要になり、解析工程が長時間化することもあります。
④ USBメモリやSDカードのデータ復旧
USBメモリやSDカードは容量自体が比較的少ないため、一見すると安く済みそうな印象を持たれがちです。しかし、フラッシュメモリ特有の構造やコントローラの制御が関係するため、障害内容によっては難易度の高い復旧になることもあります。
- 論理的な削除やフォーマットであれば、比較的シンプルな作業で済む場合もある
- コントローラ不良やチップレベルの障害では、専用技術が必要となり、費用が上がりやすい
コンパクトな媒体だから費用も低いと決めつけず、状態に応じて幅があることを理解しておくと安心です。また、小型メディアは持ち運びしやすい反面、「カバンの中で折れてしまった」「水濡れしてしまった」などの事故も多く、物理的な破損が絡むと、表面のイメージからは想像しにくい工程が必要になることがあります。
③ 料金が高くなりやすい代表的なケース

ここからは、料金が高くなりやすい条件を具体的に見ていきます。必ずしも全てが当てはまるわけではありませんが、次のようなケースでは費用が上がる可能性が高いと考えられます。
① 重度の物理障害が疑われるケース
例えば次のような症状がある場合、内部の物理的な損傷が進行している可能性があります。
- 電源を入れるとカチカチという異音がする
- 回転音が一瞬してすぐに止まる
- 通電すると焦げたようなにおいがする
- 異常な振動や、ケースの中から擦れるような音が続く
こうした状況では、ヘッド交換や部品調達、開封環境での作業などが必要になることが多く、作業時間も長くなりがちです。そのため、論理障害のケースと比較して費用が高くなる傾向があります。
また、重度の物理障害では、「作業自体のリスク」をどう扱うかもポイントになります。作業中に状態がさらに悪化してしまう可能性がある場合、そのリスクを踏まえた料金設計になることもあります。
② 大容量モデルや企業向けストレージ
近年は、個人利用でも大容量HDDや大容量SSDを利用するケースが増えました。容量が増えるほど、次のような点で負担が大きくなります。
- 診断に必要なスキャン時間が長くなる
- クローン作成に要する時間とストレージ資源が増える
- 復旧データの保存先ストレージの容量とコストが増える
特に企業向けサーバーやストレージ装置では、複数台の大容量ディスクが組み合わさっていることが多く、単体HDDと比べて解析すべき情報も多くなります。そのため、「1件あたりの作業時間」が増え、その結果として費用にも反映されます。
③ 複雑なRAID構成や障害の連鎖があるケース
RAIDは冗長性を持たせることで、ディスクの一部故障に備える仕組みですが、複数台で同時にトラブルが発生しているケースでは、復旧の難易度が大きく上がります。
- 複数台で不良セクタや物理障害が進行している
- 再構築途中に別のディスクがダウンしてしまった
- 順番の入れ替えや初期化操作が行われてしまった
- 障害発生後に設定変更や再設定を試みて構成情報が上書きされている
このような状態では、ディスクごとの状態把握と論理構成の解析が必要となり、工程が増えるため費用も高くなりやすいです。さらに、業務システムが止まっている状況では、短期間での復旧が求められがちで、緊急性が料金に影響することもあります。
④ 自己対処によって状態が悪化したケース
次のような自己対処が行われていると、それだけ復旧が難しくなり、費用も上がってしまう可能性があります。
- 異音が出ているHDDに何度も再起動を繰り返した
- 原因が分からないまま市販ツールで高負荷のスキャンをかけた
- インターネット上の情報を参考に、自分で開封や部品交換を試みた
- RAIDでディスクの順番を変えたり、再構築を何度も試した
こうした行為は、もともと残っていた読み出し可能な領域まで損傷させてしまうリスクがあります。その結果、復旧可能なデータ量が減るだけでなく、作業難易度が上がり、費用が高くなる一因にもなります。
特に、ヘッド障害が疑われるHDDに対して再起動を繰り返す行為は、プラッター面の損傷拡大につながる可能性が高く、専門家の立場からも避けたい行動の一つとして挙げられています。
⑤ 緊急対応が必要なケース
業務システムや基幹サーバーが止まっている場合、次のような対応が求められることがあります。
- 当日中の診断や着手
- 夜間や休日の作業
- 現地へのオンサイト対応
こうした案件では、通常スケジュールでは対応できない時間帯に技術者を確保する必要があるため、緊急対応費用が加算されるケースも少なくありません。特に、連休前後や年度末など、もともと依頼が集中しやすい時期には、スケジュール調整の負荷が大きくなりやすい点にも注意が必要です。
④ 見積もりを検討するときの基本的な考え方

ここからは、費用の説明を受けるときに意識しておきたいポイントを紹介します。金額だけで判断するのではなく、内容とセットで捉えることが大切です。
① 自分の状況を整理して伝える
問い合わせ前に、次のような情報をメモしておくと、より現実的な説明を受けやすくなります。
- 媒体の種類と容量 例 パソコン内蔵のHDD 外付けHDD NASなど
- 発生している症状 認識しない 異音がする 起動時にエラーが出るなど
- トラブルが起きる直前に行った操作 落下 移動 アップデート 新しいソフトのインストールなど
- すでに試した対処 再起動 別のパソコンへの接続 市販ツールの使用など
状況が具体的に伝わるほど、専門家側も必要な工程をイメージしやすくなり、費用の説明も分かりやすくなります。「とにかく動かなくなった」とだけ伝えるよりも、「いつから」「何をしたあとに」「どんなエラーが出ているか」を整理して伝える方が、診断の精度も高まりやすくなります。
② 金額だけでなく作業内容の説明を確認する
金額の数字だけを見ても、妥当かどうか判断するのは難しいものです。重要なのは、次のような点が説明されているかどうかです。
- どのような診断や作業を行う予定なのか
- どこまで進んだ段階で料金が発生するのか
- 復旧が難しいと判断された場合の対応
例えば、「診断までは無料」「復旧できなかった場合は費用が発生しない」といったルールを採用している会社もあれば、「診断に一定の費用がかかるが、そのぶん詳細なレポートが出る」スタイルの会社もあります。どちらが良い悪いではなく、自分のニーズに合っているかどうかで判断することが大切です。
③ 高額になりそうな要因がきちんと説明されているか
料金が高めの提示になっている場合には、次のような点を確認しておくと安心です。
- どの部分が難しいために高くなっているのか
- 媒体や構成のどの特徴が費用に影響しているのか
- 費用を抑える選択肢があるかどうか
例えば、「全データの復旧を目指すプラン」と「重要なフォルダだけを優先的に救出するプラン」で料金を分けている会社もあります。高額になりやすい案件であっても、優先度を整理することで、費用と成果のバランスをとりやすくなるケースもあります。
⑤ 公開情報から見るデータ復旧費用相場のイメージ

データ復旧の世界には統一された公定料金表が存在するわけではありませんが、実際の専門会社が公開している情報を参考にすると、大まかな相場感をつかむことができます。
大手の専門会社が公開しているコラムなどでは、HDDデータ復旧の料金が障害の種類によって大きく変動し、数万円から数十万円前後になる場合があると説明されています。こうした情報から分かるのは、次のようなポイントです。
- 同じHDDという分類でも、論理障害なのか物理障害なのかで費用レンジが大きく変わる
- 容量や機種、状態によっても相場が変動する
また、多くの専門会社は、媒体種別や障害レベルごとの目安料金を公開しています。具体的な金額は会社によって異なりますが、次のような三層構造で構成している例が多く見られます。
- 論理障害は比較的低めのレンジ
- 軽度から中度の物理障害は、その中間帯
- 重度の物理障害やRAID構成は高額帯
重要なのは、こうした公開情報を通じて、次のような点を冷静に確認することです。
- 自分のケースがどの段階に近いのか
- 提示された料金が、相場から極端に外れていないか
相場感を知っておくことで、「なぜこの金額なのか」を質問しやすくなり、説明を受けた内容に対しても、納得度を高めやすくなります。
⑥ 見積もり内容を確認するときのチェック例

ここでは、見積もり内容を確認するときの具体的なチェック例を、項目別に紹介します。実際には会社ごとに表現や構成は異なりますが、次のような視点を持っておくと判断しやすくなります。
① 基本料金と作業料金の関係
多くの専門会社では、見積もりに次のような費用が含まれています。
- 診断に関わる費用
- 実際の復旧作業にかかる費用
- 復旧データの納品に伴う費用
このとき、次のような点を確認しておくと安心です。
- どの段階まで無料なのか
- 復旧不能の場合の費用の扱い
- 追加作業が必要になった場合の考え方
例えば、「診断で重度障害と判定された場合は、ここから先の工程で費用が増える可能性がある」といった説明があるのか、「見積もり金額の範囲内で完結するのか」といった点を事前に確認しておくと、後から想定外の負担が生じにくくなります。
② オプション費用や追加費用の条件
緊急対応や現地対応、特殊なセキュリティ要件などが必要な場合、追加費用が設定されている会社もあります。見積もりを確認するときには、次のような点をチェックしておくと良いでしょう。
- どの条件で追加費用が発生するのか
- 追加費用の上限やレンジが説明されているか
- 見積もり段階で想定されていない費用が後から加算される可能性はないか
特に、緊急度が高い案件では、「早く対応してもらえるなら多少高くても構わない」と考えがちですが、その場の勢いだけで判断せず、条件を一度整理してから決めることが大切です。
③ 納品形態と費用の関係
復旧したデータは、一般的に次のような媒体に納品されます。
- 新しい外付けHDD
- SSD
- その他のストレージ
このとき、次のような点も確認しておきましょう。
- 納品用の媒体を自分で用意できるかどうか
- 用意が難しい場合は、どの程度の費用で準備してもらえるのか
- データ量に対して余裕のある容量で納品してもらえるかどうか
納品媒体は、今後のバックアップ用途としても活用できるため、多少余裕を持った容量を選ぶケースも多く見られます。その意味でも、「復旧後の運用」を含めて相談すると、より納得感のある提案を受けやすくなります。
⑦ 見積もり事例のイメージ
ここでは、実際の金額を細かく挙げるのではなく、「どのような観点で見積もりが構成されているか」をイメージしやすくするための例を紹介します。具体的な費用は各社の公開情報や個別の診断に基づいて確認する必要があります。
① 家庭用外付けHDDの論理障害イメージ
- 媒体 家庭用の外付けHDD
- 症状 誤ってフォーマットしてしまい、データが見えなくなった
- 障害内容 論理障害の可能性が高い
- 想定工程 論理構造の解析、復旧データの抽出、納品媒体へのコピー
このようなケースでは、開封や部品交換を必要としない「論理障害」の範囲にとどまることが多く、比較的費用が抑えられるレンジでの見積もりが提示される傾向があります。
② 内蔵HDDの物理障害イメージ
- 媒体 デスクトップパソコン内蔵のHDD
- 症状 電源を入れると異音がして起動しない
- 障害内容 ヘッド不良やプラッター面の損傷が疑われる
- 想定工程 開封環境での作業、互換ヘッドの調達と交換、専用ツールによる読み出し、復旧データの抽出
このようなケースでは、「開封作業」「互換部品の調達」「専用ツールを用いた慎重な読み出し」といった工程が追加されるため、論理障害のみの案件と比べて、費用レンジが上がる傾向があります。
③ 小規模オフィスNASのイメージ
- 媒体 小規模オフィスで利用している2〜4台構成のNAS
- 症状 共有フォルダにアクセスできない 一部のディスクでエラーが表示されている
- 障害内容 複数ディスクの劣化やRAID情報の乱れが疑われる
- 想定工程 全ディスクの診断とイメージ取得、RAID構成の解析、論理構造の復元、重要データの抽出
このような案件では、ディスクの台数分だけ工程が増えるとともに、「RAID構成の解析」という工程が加わります。そのため、単体HDDよりも高めのレンジで見積もりが提示されることが多くなります。
⑧ 東京で専門業者を選ぶときの具体例 秋葉原データ復旧スクラッチラボ
ここまで、データ復旧の費用相場や料金が高くなりやすいケース、見積もりの考え方について整理してきました。実際に東京で専門業者を検討する際の具体例として、「秋葉原データ復旧スクラッチラボ」の特徴を中立的な立場から紹介します。

① 秋葉原データ復旧スクラッチラボの概要
秋葉原データ復旧スクラッチラボは、東京・秋葉原エリアに拠点を置くデータ復旧専門ラボです。家庭用の外付けHDDやSSDだけでなく、NASやサーバー、RAID構成など、難易度の高い案件にも対応している点が特徴です。
- HDDやSSD、NAS/RAIDなど幅広い媒体に対応
- 物理障害を含む重度案件までを想定した設備と体制
- 公開されている復旧事例から技術的な取り組みを確認できる
単に「安い」「早い」というだけでなく、「どのような障害に対して、どこまで取り組んでいるか」が具体的に示されている点は、費用を検討するうえでも重要な情報になります。
② 設備と技術面のポイント
物理障害を伴うデータ復旧では、内部を開封して処置する場合があります。その際に重要になるのが、微粒子を管理したクリーン設備や、ストレージ制御に特化した専用ツールです。
- HDDの開封作業に対応するクリーン設備(防塵環境)
- HDD向けの専用ツール(例 PC-3000 UDMA/Expressなど)を用いた安定した読み出し環境
- SSD向けにはPC-3000 Portable III/PROといったポータブル型のツールを用いた制御
- NAS/RAID構成の解析に必要な論理的な復号・配列解析のノウハウ
こうした設備やツールは、料金にも影響する要素ですが、その分「どのレベルまで復旧に挑戦できるのか」を左右するポイントでもあります。特に、重度の物理障害や難易度の高い論理障害では、ツールの有無や運用経験が結果に直結します。
③ 公開事例と情報発信
秋葉原データ復旧スクラッチラボでは、公式サイトや関連メディアで復旧事例を公開しています。個別の案件ごとに、媒体の種類や障害の内容、復旧結果などが解説されており、「どのようなケースにどう向き合っているか」を知る手がかりになります。
- HDD/SSD/NASなど媒体別の復旧ストーリー
- 障害の原因と復旧のアプローチに関する技術的なコメント
- どのような結果になったのかという概要
費用だけでなく、「自分のケースが事例のどのあたりに近いか」をイメージしながら情報を読むことで、見積もりの内容を理解しやすくなります。公式サイトの事例一覧ページも、業者選びの参考としてチェックしておくと安心です。
出典の例:https://media-sos.com/case/
④ 東京・秋葉原という立地のメリット
秋葉原エリアは、パーツショップやIT関連店舗が集まっていることもあり、ストレージ関連の技術情報やパーツ調達に強みを持つ事業者が集積しているエリアでもあります。秋葉原データ復旧スクラッチラボも、その立地を活かした運用を行っています。
- 都内からのアクセスが良く、持ち込み相談もしやすい
- JR秋葉原駅や近隣駅から徒歩圏内の立地
- パーツ調達や検証環境の近さによるスピード感
特に、「急ぎで相談したい」「対面で説明を聞きたい」といったニーズがある場合、アクセスの良さは業者選びの一つの基準になります。
⑤ アクセス情報とレビュー
- 名称:秋葉原データ復旧スクラッチラボ
- 住所:東京都千代田区外神田4丁目9−7 スペーシア秋葉原 B1
- 最寄り:秋葉原駅・末広町駅周辺から徒歩圏内
実際の利用者の声を確認したい場合は、検索エンジンや地図サービス上の口コミも参考になります。評価の数やコメントの具体性などをあわせて見ることで、自分にとって重視したいポイント(説明の丁寧さ、スピード感など)が満たされそうかをイメージしやすくなります。
なお、どの業者にも言えることですが、最終的な費用や復旧可能性は、実際の診断結果に基づいて判断されます。「相場感」と「公開されている情報」を参考にしながら、必要に応じて複数社の説明を比較し、自分が納得できる選択肢を選ぶことが大切です。
⑨ よくある疑問への回答

① データ容量が小さければ安くなるのか
容量が小さいほど作業ボリュームは減りますが、根本的な障害の内容によって難易度が決まることが多いため、容量だけで費用が大きく変わるわけではありません。ただし、極端に大容量の場合は、クローン作成や解析に必要な時間が増えるため、費用に影響することがあります。
イメージとしては、「容量はあくまで一つの要素」であり、「障害内容」と「必要な工程」が価格の中心だと捉えると分かりやすくなります。
② 安い業者の方が得なのか
単に金額だけで判断するのは危険です。料金が安く見えても、次のような理由から、結果的に希望するデータを取り戻せない可能性もあります。
- 対応できる障害範囲が限定されている
- 状態が悪化した案件への対応が難しい
- 専用設備や機材を持たず、対応できる媒体が限られている
大切なのは、料金と技術力、実績、説明の丁寧さなどを総合的に見て判断することです。「なぜこの料金で対応できるのか」「どのような範囲までを対象としているのか」といった点を確認することで、自分に合った選択肢かどうかが見えやすくなります。
③ どのタイミングで依頼すべきか
異音や認識不良、極端な動作の遅さなどの兆候が出た段階で、自己対処を繰り返すのではなく、一度専門家に相談することが望ましいです。特に物理障害が疑われる場合は通電を控え、状態を悪化させないことが最優先になります。
「もう少しだけ試してみる」という気持ちで再起動やツールの使用を繰り返すと、その時間の間にも劣化が進行してしまう可能性があります。「おかしいかな」と感じた時点で、早めに相談することで、結果的に復旧の可能性を高く保ちやすくなります。
⑩データ復旧費用に関するQ&A

ここからは、実際の相談現場でよく聞かれる質問をもとに、データ復旧費用に関するQ&Aをまとめます。雰囲気をイメージしやすいように、会話形式で整理しました。
外付けHDDが突然認識しなくなりました。写真と動画が入っているだけなのですが、このくらいなら安く済みますか。
容量やデータの種類も大切ですが、費用を左右する一番の要素は「障害の内容」です。同じ外付けHDDでも、論理障害であれば比較的抑えられるケースが多い一方、ヘッド故障やプラッター傷など物理障害が進行している場合は、どうしても高額になりやすくなります。
「写真だけだから安い」「業務データだから高い」という単純な線引きではなく、状態を診断したうえで、必要な工程から費用を説明してもらうと安心です。
見積もりを出してもらったところ、想像より高くて驚きました。どこまで説明してもらえれば納得して判断しやすいでしょうか。
金額だけでは判断が難しいので、次の三点を確認してみてください。
一つ目は、「どの工程にどれくらいの時間や手間がかかるのか」。二つ目は、「媒体のどの特徴や障害のどの部分が高額要因になっているのか」。三つ目は、「費用を抑える代替案があるかどうか」です。
例えば、「全データ復旧を想定した金額です」「優先フォルダだけに絞れば費用を抑えられます」というように、提案内容まで含めて説明してくれるかどうかがポイントになります。
相場より高いかどうかを自分で調べる方法はありますか。
各社の公式サイトやコラムで公開されている「媒体別の目安料金」をいくつか確認すると、おおよそのレンジはつかめます。そのうえで、自分のケースが論理障害に近いのか、物理障害に近いのか、RAIDなのかなどを整理して、「同じ条件で比べる」ことが大切です。
ただし、実際には一台ごとの状態が異なるため、相場はあくまで参考と考え、「なぜこの金額になるのか」を直接質問して確認することをおすすめします。
診断だけお願いして、復旧を依頼しないこともできますか。
診断のみの利用が可能かどうかは会社によって異なりますが、「診断だけでも承ります」と明記しているところもあります。診断結果をもとに、費用と復旧可能性を踏まえて依頼するかどうか決められるスタイルです。
事前に、「診断の範囲」「診断後に復旧を断った場合の費用」「レポートの内容」などを確認しておくと、後から迷いにくくなります。
予算に限りがある場合、どのように相談すれば良いですか。
まずは、予算の目安と「最優先で復旧したいデータ」をはっきり伝えることが大切です。例えば、「業務で使うデータベースを最優先にしたい」「家族写真だけでも取り戻したい」などです。
優先度を共有することで、「重要なフォルダに絞るプラン」「緊急対応は行わず標準納期で進めるプラン」といった提案が可能になる場合があります。費用だけでなく、「何をどこまで復旧するのか」という観点で相談してみてください。
11 まとめ データ復旧費用と向き合うために知っておきたいこと

データ復旧の費用は、媒体の種類、障害の内容、容量や台数、必要な機材や環境、そして対応スピードなど、さまざまな要素が組み合わさって決まります。同じHDDでも、論理障害と重度の物理障害では、費用レンジがまったく異なります。
料金が高くなりやすいケースの多くは、次のような条件を満たしていることが多いです。
- 重度の物理障害や複数台にまたがる障害
- 大容量モデルや企業向けストレージ
- RAID構成の解析や再構築が必要な案件
- 自己対処の繰り返しによって状態が悪化した案件
- 緊急対応や特殊なセキュリティ要件が求められる案件
一方で、費用ばかりに目を向けていると、次のような本質的な部分を見落としてしまいがちです。
- 重要なデータを失うリスク
- 業務や生活への影響
- 復旧できなかった場合に生じる損失
大切なのは、信頼できる専門業者の説明を受けながら、次の三点を落ち着いて整理することです。
- 現在の状態
- 期待できる復旧範囲
- 費用とリスクのバランス
もし現在、HDDやSSD、NASなどでトラブルが発生している場合は、次の基本を守ることをおすすめします。
- 無理に再起動を繰り返さない
- 原因が分からないまま市販ツールを使わない
- 分解や基板交換を自己判断で行わない
費用相場と料金が高くなる理由をあらかじめ理解しておけば、提示された金額の意味も見えやすくなります。数字だけにとらわれず、「どのような作業に対して、どこまでの復旧を目指すのか」という視点で向き合うことが、納得度の高い選択につながります。